時の流れと友だちの話。
6回目。
気温の変動が激しい今日この頃。
上着もクローゼットを出たり入ったり大忙しである。
暑いのは嫌いだけど、寒いのも嫌いなので
ぜひともどうか、地球さんには、ほんのりいい感じのラインを保ってほしいものである。
この間、久しぶりに友達に会った。
卒業してからそれきりで、遠くへ引っ越すというので、それならば最後に一緒に遊んでおこうと食事に誘った。
久しぶりに会った彼女は、学生時代に比べると、髪の色やファッションが少しだけ派手になってたくらいで、当たり前だけど顔は全然変わっていなかった。
なんだか懐かしくなって、たくさん話した。
私の近況、新しく出来た面白い友達のこと、好きなアーティストのこと。
私がたくさん話した分だけ、彼女も言葉を返してくれた。
初めのうちはなんとも思わなかったんだけど、途中から、あれ、と違和感を感じるようになった。
あれ、こんな子だったっけ。
記憶の中の彼女は優しくて、いつも誰かを気遣い、私が髪をアレンジする度に褒めてくれた。
目の前の、記憶と変わらぬ笑顔の彼女の口から飛び出してくるのは、誰かをひどく貶すような言葉だった。
仲違いした訳の分からない友達を糾弾したら泣かれてほとほと困ったのだとか、
私が昔仲良くしていた友達は性格が悪いから、縁を切って正解だったとか、そういった内容だったと思う。
そういう話を、彼女は笑いながら、楽しそうに、話すのだ。
こういう話を、喜ぶ人のそばに、いつもいるのかな、と思った。
話を聞く限り、彼女が仲違いした友達の言い分は分からなくもないし、私の昔の友達とは、それなりにいい時間を過ごせていたと思う。
久しぶりに会ったから、私が忘れているだけだろうか、
この子の話し方は、こんなものだっただろうか
湧いた違和感の正体を掴めないまま、彼女との時間を過ごした。
そして、帰り際に彼女が、私の髪をひと撫でして、ニッコリ笑いながらひとこと。
「髪、変だよ、前の方が良かった!」
ああ、時が経ったんだと、そこでようやく納得した。
もう何もかも昔のままではない。
もう、彼女は手放しに私の髪型を褒めたりしない。
あの日に会うまでに彼女の過ごした時間を、私は知らないし、私の過ごした時間も、彼女は知らないんだと思うと、悲しくなった。
その過ごした時間の中で、彼女はいろんな人と出会って、変わったんだなあと漠然と思った。
おとなになるってこういうことかあ。
いまの髪型、気に入ってるのになあ。
多分もう、会わないだろうなと思う。
変わるのと、変わらないのとでは、一体どちらがいいんだろうなあと
そんなことを考えた日だった。
何が言いたいかって言うと、きっと記憶は美化されるし、時の流れは無情だなあということです。
何はともあれ、食べたオムライスは美味しかったので良しとします。
遠くの地でも頑張って欲しいです。終わります。